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  • インタビュー記事

途上国で活動した2年間の休学を経て、ライブ配信アプリを運営する17LIVE株式会社に入社。河嶋可歩さんが語る、大学時代の過ごし方とは?

2022年2月8日

今やっていることは無駄かもしれない。」と自分の行動に自信を持てない方はいませんか。

「『Connecting the dots』、私はこの言葉に本当に共感しています。」

そう話してくれたのは、ライブ配信アプリを運営する17LIVE株式会社で新卒社員ながら戦力として活躍している、関西学院大学総合政策学部の先輩、河嶋可歩さん。

そんな河嶋さんが総合政策学部で学んだのは、大きな視野を持ち、自分にできることややりたいことにチャレンジし続ける重要性。大学時代の学びは、河嶋さんの財産になり、今に活きています。

自分にピッタリの会社で仕事を楽しみながら、自社アプリを広めようと奮闘する河嶋さんに「大学時代の過ごし方」について教えていただきました。

【河嶋可歩(Kartika)】
2021年関西学院大学総合政策学部国際政策学科卒業、17LIVE株式会社の新卒1期生として入社。
幼少期から途上国や国際協力に関心があり、国連出身の方々が多く教鞭をとっている関西学院大学に進学。大学時代は「誰もが可能性を開花できる社会づくり」を目指すべく国際政策を専攻し、2年間の休学を含めた約3年間をケニアとインドネシアで活動。ケニアでの約1年間は農業コンサルを行うスタートアップ企業にてインターン、インドネシアでの約2年間は小学校教師・社会課題活動・現地のメディア企業でのインターンなど様々な活動を実施。コロナ禍直前に帰国し、社会起業家支援を行う会社でメディアの立ち上げを担当しながら就活を行い、17LIVE株式会社に入社。学生時代の功績が認められ、兵庫県庁より国際交流活動にて成果を残した人に送られる「若人の賞 2020」受賞。

インタビュー動画はコチラ

自分の能力を存分に発揮できる会社で充実した日々を

河嶋さん、本日はよろしくお願いします。

河嶋さん

よろしくお願いいたします。

早速ですが、河嶋さんの自己紹介を頂いてもいいですか。

河嶋さん

初めまして。河嶋可歩と申します。兵庫県出身で関西学院大学総合政策学部には 2015 年に入学いたしました。2 年間の休学を経て、2021 年に卒業し、現在新卒 1 年目として17LIVE株式会社で働いております。学生時代は国際政策学科の村田ゼミに所属しておりました。よろしくお願いいたします。

卒業後、村田先生に声をかけてもらい参加した外務省主催「グローバルフェスタ」に登壇

どのような会社で働いているか、詳しく教えてください。

河嶋さん

17LIVE(ワンセブンライブ)は、2015年に台湾で誕生したライブ配信アプリで、日本では2017年に日本でのサービスを会社したスタートアップ企業です。2020 年には、売上・ダウンロード数が日本 NO.1 になり、現在は世界中で 5 千万以上の方々が使用しているアプリとなっております。『ライブテクノロジーを通して、人と人のつながりを豊かにする』というミッションを掲げ、次世代のエンターテイメントを創出することを日々模索しております。コロナ禍の中でも、良い影響を受けて成長している産業の一つではないかと考えております。

17LIVEに入社しようと思ったきっかけを教えてください。

河嶋さん

幼少期から途上国や国際協力に関心があり、多くの国連出身の方々がいる関西学院大学総合政策学部に入学しました。そこで国際事情や国際政治を学び、自らもケニアやインドネシアの地方で活動したことが入社のきっかけとなっています。

これらの経験を通して、勉強しても報われない実情があると知り、勉強後の雇用を創出する環境を作りたいなと思いました。ライブ配信アプリは、スマホが一つあればケニアの地方都市でもインドネシアの離島であっても、どこでも自分がライバー(ライブ配信者)となって配信を行うことで収益を生み出すことができます。その点で、サービスの認知を広げるマーケティング分野の仕事に魅力を感じ、17LIVEに入社いたしました。

インドネシアの小学校と日本の小学校を繋いだ時の様子

河嶋さんは 17LIVE でどのようなお仕事を担当されていますか。

河嶋さん

Brand&Marketing という部署の PR チームに所属しています。PR は社内と社外をつなげる架け橋となっているチームです。社内では様々な施策が走っていますので、その施策を社外に伝える方法として日々プレスリリースの執筆やメディアプロモートを担当しています。

また、当社では2021年には CSR 活動を実施したのですが、そのプロジェクトにも参加することができたので、 『ライブ配信を通じてどのように社会貢献できるか』という視点からもアイデアや企画を考えることができ、とても楽しく刺激的な経験となりました。

CSRとは「Corporate Social Responsibility」の略で、「企業の社会的責任」のこと。CSR活動とは、会社の利益のみを目的に活動するのではなく、社会に貢献するために行う活動を指す。

PR のなかで印象に残っているお仕事はありますか。

河嶋さん

印象に残っている仕事は沢山あるのですが、主に二つあります。一つは社内の大きな動きに関わっていることです。私が入社して半年以内に社名やサービス名、ロゴの変更があり、サービス開始設立 4 周年を記念した大型イベントもありました。こういう節々の記者会見やイベントに新卒 1 年目ながら参加させていただけたのは、すごく大きな経験になりました。

また私たちはエンタメの企業ですので、様々な芸能人やアイドルの方々とお仕事させていただくことが多いのですが、そういった著名人のコンサートやライブ配信に関連したPRのプロジェクトに携わることができたことも印象に残っています。

アーティストの方々とのコミュニケーションから、記者会見の企画までかなり幅広いお仕事を担当されているんですね。

河嶋さん

そうですね。まだ新卒 1 年目の立場ですが、実際に大物アイドルの方々のプレスリリースを書いたり、現場に立ち会って配信対応を行わせていただいたりしています。

17LIVE は若者に大きな権限や役割を与えてくれる会社なんですね。

河嶋さん

本当にフラットな会社で、立場・チーム関係なく、みんながサービスを成長させるという共通認識を持って日々業務しています。

社内施策に立ち会っている時の一コマ

河嶋さんがお仕事をしていて楽しい瞬間ややりがいを感じる瞬間はありますか。

河嶋さん

日々とても楽しく働かせていただいています。同年代の中でも毎日仕事を楽しめているトップ層ではないかと思うくらい楽しいのですが、会社の良い点の一つとして『What’s best for 17LIVE』という文化が社内でとても根付いていることが挙げられます。これは先ほどお伝えした通り、全員がサービスを成長させるという最終目標を持って日々の業務に取り組んでいる文化を指します。この文化があるからこそ、相手の立場やチームに関係なく、様々な提案をすることができています。

そんな会社で『 0 から 1 』を生み出す瞬間に携われることをすごく楽しく感じていて、具体的にはこれまで、その瞬間が二度ありました。一度目は入社して 1 ヶ月くらいで社内の評価制度改革に関するプレゼンを人事の方や経営陣のトップ層に行い、実際に採択されたことです。二度目は入社半年で、グローバルミーティングにおいて英語を使いプレゼンをした時です。

現在は 17LIVE が元々台湾が発祥のサービスであるため、台湾、香港、アメリカのチームメンバーとともにグローバルコミュニケーションをより活発化する施策を考え、企画書を練って提案しています。このようにPR 業務を含め、自分が ゼロイチで施策を考え、より会社の成長に貢献できている瞬間がとても楽しくやりがいを感じています。

人事評価の在り方まで提案できるなんて、主体的に働きたい人にとっては恵まれた環境なんですね!

河嶋さん

本当にそうですね。入社初日に CEO とCEOO の方が『忖度だけは絶対にしないでほしい』と新入社員全員に仰ってくださいました。それを口だけで終わらせるのではなく、実際に私たちの行動を評価してくれたり、一旦受け入れて『確かにそれはいいね』と会社で取り入れてくださったりします。その点はグローバル企業ならではの風潮で、本当に忖度なく働けているなという実感があります。

※CEOとは、「Chief Executive Officer」の略で、最高経営責任者を指す。

※CEOOとは、「Chief Executive Operating Officer」の略で、最高執行責任者を指す。

会社の風土ももちろんですが、いきなり経営層にプレゼンが出来たり、提案をぶつけられたりする河嶋さんが非常に優秀ではないかと思います。一般的な新卒採用の方とは比べ物にならない戦闘力をお持ちのように感じるのですが(笑)。

河嶋さん

とんでもありません。17LIVE 株式会社は、私たちが入社する前は全社員が中途入社で、私たちの代が新卒採用が始まって初めて採用された新卒 1 期生であるという特徴があります。新卒というのもあり、たとえその発言が間違っていても、自分の考えを述べたことを評価していただけますし、逆に良いことを言うと『すごいね』と評価していただけるため、言いやすい環境を提供してくださっている社風にすごく感謝しています。

それでは、いま絶賛成長中のライブ配信業界で働くためにはどのようなスキル、知識、準備が必要でしょうか。

河嶋さん

二つあると思います。

一つ目は、私は新卒で入社したので入社前から特別なスキルがあったわけではないのですが、やはり自分自身が仮説をもって、それを検証していける、つまりPDCA を回せる能力や意欲があることはすごく重要だと思います。ライブ配信アプリはまだまだ成長産業であり、みなさんが日常的に使用していただけるようなアプリにはまだ成長していません。そのため、世の中の先の流れを意識しながら、現在の仕事に落とし込んでいくというスキルは非常に大切だと思います。

二つ目はエンタメが好きということです。私たちはエンターテイメントを提供しているライブ配信アプリですので、自分自身がその魅力を感じていないと、やはり世の中の人にその魅力を伝えられないと思います。だからこそ、エンタメが好きであることや、ライブ配信にすごく魅力を感じるなど自社製品を愛することは重要なポイントだと思います。

確かにベンチャー企業は困難な壁も多いですから、自分のサービスに思い入れがないと厳しい競争を戦っていけない気がします。

河嶋さん

本当に毎月変動がある会社ですので、安心安全ではなく、変化すら楽しむというマインドは重要だと思います。

先ほどと重なりますが、お話を伺って、やはり河嶋さんがどれだけ優秀であるかが伝わります。本当に力をつけられて就職されたのですね!

河嶋さん

総合政策学部の学生は本当に優秀で、自分の好きなことを好きなようにやっている人が多いですが、それを活かせる環境がある会社に入社するかどうかが非常に重要だと思います。どれだけ能力があっても、どれだけ意欲があっても、それが認められない会社であれば挑戦もできないですし、報酬も反映されません。私は、ミスマッチなく就活を終えたことが一つのキーポイントだったと思います。17LIVEは服装も働く場所も自由で、インドネシアが好きな私には『コロナが落ち着いたらインドネシアで働いていいよ』と言ってくれるような会社なんです。

インドネシアの貧困地域でで写真を届ける活動をした際の写真

本当に河嶋さんにピッタリな会社ですね!自分に合う会社を探す重要性がよく分かりました。

河嶋さん

そうですね、就活は妥協しないほうがいいです!

関西学院大学総合政策学部は「Think globally, Act locally」を体現できる場所

卒業式当日

総合政策学部での学びはどのように活きていますか。

河嶋さん

総合政策学部での学びは授業や教授の方との関わりなど、沢山あるのですが、やはり最終的には総合政策学部のモットーである『Think globally, Act locally』の学びが今も活きているなと思っています。

これは『地球規模から考えて、足元から行動を起こせ』と訳されると思うのですが、この学びから、社会人になっても学生時代であっても、自分のコミュニティーに満足するのではなく、より中長期的な目標を視野に入れることで、いま自分ができることや自分の活動の意義を見出すことを常に意識できています。

確かにとても大きな視野で見ながら、目の前の小さなタスクをどんどん回していく今のお仕事にそのモットーが通じているかもしれないですね。

河嶋さん

そうですね。今、世界中にいる5千万のユーザーは地域も違えば文化も違います。そのため日本でできることや、それが世界にどのようにつながっていくのかという点は常に考えるようにしています。

学生生活で学んだことがあれば教えてください。

河嶋さん

学生生活で学んだことは二つあります。

一つは”自分の当たり前が当たり前ではない”ということです。この学びを通して、より相手を尊重できるようになりました。総合政策学部で仲が良かった友達がみんな学部留学生で韓国人や中国人の方が多かったことや、交換留学生との交流が頻繁にあったことが学びにつながりました。また、関西学院大学の国際社会貢献活動に参加し、半年間、学校の先生としてインドネシアに滞在したのですが、そこでも様々な日本との違いを感じるなど、自分が当たり前と思ってきたものとは違う価値観に沢山出会うことで、すごく相手をリスペクトできるようになったと思います。

17LIVE でも台湾や香港、アメリカの方々など、バックグラウンドが違う様々な方と一緒に働いているのですが、相手と自分との違いに対して『この人は私と違う』と思うのではなく、違いを受け入れたり、相手がその考えに至った理由をバックグラウンドからしっかりと考えられたりするので、学生生活の学びが今に結びついていると感じます。

ケニアにて小学校の生徒たちとともに

河嶋さん

二つ目は自ら情報を取りに行く重要性を学びました。私は 2 年間の休学のうち 1 年間滞在したケニアではトビタテ留学金に採択され、文部科学省のプログラムを使い給付金を頂きました。また、2 年間の活動を終えて帰国した際に、2 年間の活動が認められて、関西学院大学から同窓会奨学金という奨学金を頂くなど、金銭面でサポートしていただきながら、自分の活動を行うことができました。自分の活動を好きに行うためには、やはりそういった情報を自分で取りに行ったり、相手の人に聞きに行ったりする姿勢が大事だったと思うので、その点は今でも実践するようにしています。

とても為になるメッセージをありがとうございます。

河嶋さん

とんでもないです。二年間の休学を終えた際に、関西学院大学の同窓会奨学金を見つけて申し込み採択されました。学外の活動でも社会に意味のあることだと評価し、採択してくれるなんて良い大学だなと 4 年生になって改めて実感しました。

非常に後押しになりますよね。

河嶋さん

活動内容は一つも学内の活動ではなかったのですが、関学が大事にしている社会貢献という文脈で採択されたと考えると、一人一人の学生を応援してくれる仕組みが沢山あるなと思います。

大学の魅力を沢山教えてくださり、ありがとうございます。 最後の質問です。今の学生に伝えたいことがあれば教えてください。

河嶋さん

学生生活を本当に後悔なく全うするということを一番伝えたいです。関心のあることにはなんでもチャレンジしてほしいです。私は学生時代に 2 年間休学したり、一度もスーツを着ずに就活を終えたり、自分の意志のまま自由に生きてきました。

ケニアで職場のメンバーたちと記念撮影

河嶋さん

2005 年にスティーブ・ジョブズが行ったスタンフォード大学のスピーチで『Connecting the dots』、日本語にすると『未来を見て点をつなぐことはできない。できることは過去を見てつなぐことだけだ』というメッセージがあるのですが、私はこの言葉に本当に共感しています。

興味を持って続けたことが結果的にすべて繋がることを今、実感しています。そのときは何が正しいか分からなかったり、周りと比べて自分はこれでいいのかなと落ち込んだりする瞬間も沢山ありますが、自分の直感を信じて、努力し続けてほしいです。結果的に自分の経験はすべて財産になって、今の自分を作っていると思うので、時間のある時になんでも自由にチャレンジしてください。

河嶋可歩さん、ありがとうございました!

関西学院大学総合政策学部の先輩である、河嶋可歩さん。

今、新卒1年目にして自分の能力・意欲を存分に活かした仕事ができているのは、学生時代に自分の意志のまま、なんでもチャレンジし続けたことがすべて繋がり、今の自分を作ってくれたから。

高校生のみなさんは、やりたいことがあっても、はじめの一歩を踏み出せない自分にもやもやしていませんか。

この世界は経験した人だけが得られる景色や感情に溢れています。ぜひ、自分の気持ちとまっすぐに向き合い、いま動き出してみてください。

そして大学でも興味のあることをやり続ける学生生活を送りませんか。きっと、いつか全てが自分の財産になっていることに気づくから。

<取材=諸富稜(スタジオMOVEDOOR代表)>