
- インタビュー記事
住友商事→ユニクロへ。井上憲司さんが語る“グローバル”で活躍するために必要な大学生活の過ごし方とは?
2021年11月17日
「将来は、世界をまたにかけて活躍したい!」と考えたことはありませんか?
「何事にも好奇心をもって失敗を恐れずに行動することが大切」そう話してくれたのは、新卒で住友商事株式会社に就職した後、現在はユニクロで世界を相手に活躍する関西学院大学総合政策学部の先輩、井上憲司さん。
井上さんいわく、お客様の喜ぶ顔を見ることは仕事のやりがいに繋がっているそう
そんな井上さんが関西学院大学で学んだのは、バイタリティ溢れてやりたいことをやりきること。
さまざまな経験を通して課題を発見し、現在も世界と向き合い続ける井上さんに「グローバルに活躍するために必要な大学生活の過ごし方」について教えていただきました。

株式会社ファーストリテイリング 連結計画管理部長 2005年に 関西学院大学 総合政策学部を卒業後、新卒で住友商事株式会社に入社。航空宇宙事業部にて航空機リース事業に従事し2011年よりオランダ、2013年よりアイルランドの事業投資会社に出向した後、2014年に株式会社ファーストリテイリングに転職。 サプライチェーン改革や購買部立上げなどを経た後、2016年よりユニクロ欧州本部のイギリスに赴任しCFOとして事業拡大や収益構造改革に着手。2021年9月に現職着任。
インタビュー動画はコチラ
世の中に結びつく仕事をするため、住友商事→ユニクロへ
井上さんが転職される以前、住友商事ではどのような仕事をしていたのでしょうか?
井上さん
簡単に言うと、大きな仕事です。航空機リース業界で飛行機に対する投資や、エアラインに売却する、貸すといった仕事や、企業の買収をして数千億円のディールをしたりしていました。

井上さんは、なぜ住友商事からファーストリテイリングへと転職されたのでしょうか?
井上さん
理由としては2つあります。
一つ目は、自分の存在意義を感じたかったということですね。自分の仕事が世の中に結びついているというところをモチベーションにして働きたかったんです。
私自身、住友商事時代にオランダとアイルランドに駐在していた経験があるのですが、日本に帰国するたびにユニクロで大量に服を買って帰るという生活行動パターンがありました。しかし、ヨーロッパには日本のように、ユニクロが生活の中にあって良かったという感覚がない。絶対に有れば売れるだろうというのは思っていたので、自分自身が会社に入って、ヨーロッパで生活してきた経験なども活かして世界とのギャップを埋めたい。
それはすごくやりがいのある仕事なんじゃないかなと感じていましたね。
二つ目が、実力主義の会社で働いてみたいと感じたことですね。10年間ほど、住友商事で色んな経験をさせて頂いた。その自信を持って今後何をするかを考えた時に勝負に出るべきじゃないのかと考えたんです。
年功序列じゃない実力主義の会社に早いタイミングで入って出来れば30代でCxOになるという目標を持ちました。それを叶えるためにも、今の慣れた環境に居てはいけないなと感じたんです。
こういった理由で転職を決めました。

CxO(Chief x Officer)とは
「Chief=組織の責任者」+「x=業務・機能」+「Officer=執行役」からなる経営用語で、企業活動における業務や機能の責任者の総称
井上さんはユニクロでどんな役職を務められているのでしょうか?
井上さん
つい先日、21年の9月に日本に戻って来て、現在は、ファーストリテイリンググループの経営企画という部署で部長を務めています。グループ全体の経営管理、経営企画でいかに事業を伸ばしていけるかという戦略の部分を担っています。

会社全体の方針に関わる、ものすごく責任感のある部署なんですね。
井上さん
そうですね!
私自身、ファーストリテイリングに入って7年ですが、最初の2年ほどは日本の本部で購買や出店開発という仕事を経験した後に、5年間イギリスで欧州全体の本部でCFOや物流、ITを責任者として見ていて、欧州の中での事業の発展に貢献してきました。

CFO(Chief Financial Officer)とは
日本語に直訳すると「最高財務責任者」。 具体的には、企業の財務・経理の戦略立案、執行の総責任者として企業のお金に関わる全てを統括します。
ユニクロはかなり有名な会社ですが、改めてユニクロのビジネスや魅力について詳しく教えて頂けますか?
井上さん
一番の魅力は、自分の仕事が世の中に繋がっていることだと思います。
手触り感があって、かつグローバルで展開している。ユニクロには世界中で展開できる規模のプラットホームがあります。
それをいかに発展させてお客様により良いサービスを提供していくのか、日本初のグローバル企業としてどこまで世界一に向けて挑戦していけるのか、そうした環境で仕事が出来ることは魅力だと思います。

日本から世界に挑戦している会社ということでとてもカッコいいなと思います!

グローバルな企業で働く魅力はダイバーシティのダイナミックさ
井上さんが働かれていて楽しさややりがいを感じる時はいつでしょうか?
井上さん
一番良かったと感じる瞬間はお客様の喜ぶ顔を見る時ですね!
印象的だったのは、ヨーロッパの新しい国で事業を拡大していく中で、お客様が来てくれるか分からないドキドキ感の中、新規出店の初日にお客様が大行列で”私たちの国に来てくれてありがとう!”と言ってくれた時、この仕事をやってきて良かったと感じましたね。

ものすごく多くのお客様と向き合われる、とてもやりがいがあるんだろうなと感じます!
ユニクロのような”グローバル企業”で働く魅力を教えてください。
井上さん
ユニクロは二十数カ国にビジネスを展開しています。魅力は色んな人と一緒に仕事をして、世界中の方々と同じ目的を持って、志を持って仕事をする。
ダイバーシティのダイナミックさということがとても勉強になりますし、人生の経験としても充実したものになりますね。
そこが魅力です!

ユニクロのようなグローバル企業で働きたいと考えている人に必要なスキルや経験、準備には何が挙げられますか?
井上さん
第一に強い好奇心を常日頃色んなことに対して持つことだと思います。
強い好奇心、なぜ、こうなるのだろう?もっとこうすれば良くなるのにといった好奇心は全ての原動力になると思いますね。
もう一つは勉強熱心であることですね。
私自身、住友商事という全然違う業界で働き、その後ファーストリテイリングに来て色んな部署で働いて常に勉強してきたところがあります。
好奇心と熱心に勉強することが視野を広げたり、チャンスを開発したり、自分自身の事業の貢献度を高めてくれたりするはずです 。
基礎的なマインドセットとして必要だと思いますね!

分かりやすいです!
関西学院大学総合政策学部では「バイタリティ溢れてやりたいことをやりきること」を学んだ
関西学院大学での学びは現在、どのように活きていますか?
井上さん
バイタリティ溢れてやりたいことをやり切ることですね!
大学時代はとにかく動き回っていました。学生時代は4つのバイトを4年間掛け持ちしていました。朝はローソンで働いて、授業がない日や時間帯はキャディをする。部活のない日は家庭教師を2件やっていましたね。
バスケットボール部にも所属していたので、週6日授業の後は三田キャンパスから西宮に行くという生活を送っていました。
とにかく動き回っていましたね!

すごいバイタリティですね!体育会の部活をしながら、、、どれだけ時間があっても足りなさそうです!
井上さんがバスケットボール部での活動で得られたことは何でしょうか?
井上さん
二つあるかなと思います。
一つ目は、一生懸命練習した経験ですね。
私自身、高校時代はそこそこの選手だったと思うのですが、大学時代は4年間補欠でほとんど試合に出れず、ベンチにも座れないという状況でした。そんな中でも、週6日三田から西宮まで寒い思いをしながら通う。スポットライトに立てない中で努力してきたことはいい経験だったと思います。
二つ目は学生コーチをさせて頂き、チームマネジメントを実践した経験です。
怪我をしたこともあって四年生の時にバスケットボール部の初代学生コーチを任せて頂きました。
そこで、四苦八苦しながらもチームマネジメントはどうあるべきか、どうすれば個人にとってもチームにとっても一番いいのかを日々考えていました。

今の学生に伝えたいことがあれば教えてください。
井上さん
失敗を恐れずに、何事にも好奇心を持って動き回ってください。
人生の時間は有限です。全てのことに前のめりになってやることが経験となって積み上がり、将来に繋がるのではないかなと思います!


関西学院大学総合政策学部の大先輩である、井上憲司さん。
世界を相手に活躍できるのは、学生時代に”好奇心をもって失敗を恐れずに行動すること”を実践していたから。
高校生のみなさんは、これからはじまる大学生活に期待を膨らませていますか?
将来、世界を相手にして働いてみたいと考えたことはありますか?
今はまだ、スキルや経験がなくとも大丈夫。
ヴァイタリティ溢れてやりたいことをやりきること。その経験が、きっと今後のあなたの役に立つから。
<取材=諸富稜( 22期生 )>