
- インタビュー記事
毎日放送での新規事業立ち上げ。大西さんが語る自分の強みを見つける大学生活の過ごし方とは?
2021年11月2日
「高校まで部活一本で、大学で何をすればよいか分からず、不安になりました。」
そう話してくれたのは、学生時代に福祉事業、ハワイでのNGOを経験、現在は毎日放送で営業を始め新規事業立ち上げなど数々の役割を担う関西学院大学総合政策学部の先輩、大西亮さん。
大西さんは、学生生活でのフィリピンでの経験が報道記者を目指すきっかけだったと語ります。
そんな大西さんはまだ二期目だった総合政策学部で、自分が思いつく限りの様々なことにチャレンジされていました。
営業、報道記者とキャリアを積み、現在は新規事業立ち上げで毎日放送の重鎮を担う大西さんに「大学生活で自分の強み、やりたいことを見つける方法」について教えていただきました。

関西学院大学総合政策学部在学中フィリピンのストリートチルドレンの実体を見て、人に自分の見聞を伝える仕事に興味を持ち、記者になることを決意。ラジオの営業と報道記者を経て、現在は広告枠のセールス活動に携わりつつ京都プロジェクト室の担当や、食に関する社内ベンチャーの立ち上げなど。既存のマスコミの仕事内容にとらわれない、多種多様な活動をしている。
インタビュー動画はコチラ
既存のテレビ局の枠組みにとらわれない、大西さんの仕事内容
本日はよろしくお願いします!大西さんは毎日放送に新卒で入社されたんですか?
大西さん
はい、2000年に新卒で入社しました。初めは東京で三年間ラジオの営業をして、その後に10年間報道記者をしました。

ラジオの営業というと、どんな仕事になるんですか?
大西さん
MBS(毎日放送)ラジオは東京では聞けないんですよ。そんな中新規のお客様にラジオのスポンサー契約していただいたりとかですね。

なるほど!一から開拓されていたんですね!今も営業されているんですか?
大西さん
今も営業していますよ!ただ、テレビの営業なので当時とは少し違っていて、CMの広告枠を様々な企業様に売るのが仕事内容ですね。
それ以外にも色々な仕事を兼務していて、京都の文化を発信していく京都プロジェクト室の担当、魔法のレストランなどの食の番組を通じて築いた関西の飲食店の人脈を活かして、食のビジネスを行うTOROMIプロデュースという社内ベンチャーの立ち上げ、他にもMBSメディアホールディングスで新規ビジネス、関西のスタートアップへの支援も取り組んでいます。

ベンチャー、スタートアップとは
企業として何かしらの新規ビジネスに取り組むことを指します。
既存のテレビ局の枠組みにとらわれない、色々な仕事をされていますね・・・すごい!
大西さん
情報化社会になる中で、放送局もテレビの広告収入だけでは難しくなっていく未来が見えています。
新たな収益源を模索している途中で、私はそれに関係した新規事業開拓もしている感じですね。


自分の知らないテレビ局の現状を知れて興味深いです。
そういった日々のお仕事で大西さんの楽しい時を教えていただけますか?
大西さん
関わってくださったみなさんが喜んでくれたときと、効果が出たと感じられたときですね。
営業はお金を稼ぐことが大事ですが、それで終わっては意味がないと考えています。
単純に売るだけでなく、企画そのものを考えていて、例えば毎日放送とエースコックさんでコラボして新しいワンタン麺を開発していますが、スポンサーのエースコックさんにとっては商品が売れる、番組的には商品が並ぶことで宣伝になる、番組初の企画がテレビの枠を超えて届けられるので視聴者も喜ぶ。
このように関わっている皆がWinWinになれば嬉しい。その中でも誰も挑戦しなかったことで結果が出れば一番うれしいですね。

誰も挑戦しなかったことといえばどのようなことがありましたか?
大西さん
たくさんありましたよ。
ハワイで、神戸コレクションのモデルさんがシャンプーをPRするNatural Beauty Campを開催したり、農業機械メーカーさんの特番で、メーカーさんのフランスの工場を訪れて、若手社員さんに密着したCMを作らせてもらったりとか。
中でも一番やっていて嬉しかったのはAirbnb(エアビーアンドビー)さんが日本に入ってきたときに紹介番組を作ったことでですね。熊本に俳優さん2人が男旅に出向いてたり、奈良にミュージシャンの方が音楽旅をしたり。Airbnbさんが自社の世界観を大事にする会社で、「毎日放送がAirbnbの魅力を損なうことなく伝えられた」と評価してもらったのは本当に嬉しかったです。

Airbnbとは
お家を貸したい人と借りたい人をつなぐ世界最大のプラットフォーム。
ありがとうございます。先進的なチャレンジばかりで聞いていてワクワクしました!

学生時代の様々なチャレンジから、テレビ業界に興味を持った
テレビ業界で働くために、どんな準備をすれば良いのでしょうか?スキルがあれば良いんでしょうか?
大西さん
スキルも大事ですが、それ以前に学生時代の間にどんどん興味があることに挑戦していくことに尽きます。

挑戦してみないとわからないですもんね。大西さんはどのようなチャレンジをされていたんですか?
大西さん
ちょっとでも気になったことは全部チャレンジしていましたね。
障害のある人の家族の方々との勉強会や、筋ジストロフィーの人々の介護をさせてもらったりとか、大学二年生のときは総合政策学部の先生の紹介でハワイでイルカの保護をしているNGOにインターンシップさせてもらって、二ヶ月ずっとハワイにいたこともありました。
フィリピンにゼミで研修に行ったときは、日本人でフィリピンのゴミの山をテーマにドキュメンタリーを撮った映画監督に連絡を取って、現地のストレートチルドレンの施設に行きました。

学生時代から挑戦の幅がすごく広いですよね・・・でも、すごくハードルが高く思えます。どのようなきっかけでそのようなチャレンジをされるようになったんですか?
大西さん
入学当初、何もできなくて、その状況が不安だったんですよ。
私は中学高校サッカーしかしてなくて、でも大学生になった瞬間にすごく選択肢が広がった。何でもチャレンジできる大学生になった瞬間に、自分が何をしたかったのか、何が自分に向いているのか見えなかったんですよね。
大学を卒業すれば働かないといけない。学生時代に気になったことはチャレンジして、自分に本当に向いているものが何か見つけようと思いました。

確かに大学生になって、何をすれば良いか見えなくなる人が多いように思います。
でも何かしないと、何も見つけられない内に社会人になってしまう。逆に行動していく中でしか自分のやりたいこと、やれることは見つけられないと、僕自身そう思います。
大西さん
そうなんですよね、自分が何なのかは自ら動く中で分かってくるんです。
私はフィリピンのストリートチルドレンの施設に行くときに、自分が記者になったらどのようにフィリピンの現実を伝えるのか考えてみたことが、記者をやりたいと思ったきっかけでした。
その時に自分のやりたいことはみんなの知らない現実を色々な人に伝える生活ではないかなと、それが記者なんじゃないかと気づきました。


大西さんのチャレンジ精神、色々な新しいものに飛び込まないといけない記者にぴったりなんじゃないかと思いました。
大西さん
そうなんですよね、知的好奇心を持ってアクティブに動く、周囲に発信して楽しめるというのは記者の最低限条件かなと思います。
でも、結局就職活動はマッチングなんで、自分のやりたいことと、企業のやってほしいことが合うかどうかが全てです。
だからこそ、何をしても許される学生時代に、やりたいことは絞っておきたい。
記者の業界に憧れていても、色々やっていく内に、自分が本当にやりたいことは記者じゃないと気づくかもしれない。
後からつらい思いをするよりは、色々なことにチャレンジして、向いているなと思ったらこの業界を選んだらよいし、他の選択肢も無限に広がっていると思うんで、知的好奇心を持って学生時代からチャレンジすれば良いのかなと思います。

関西学院大学総合政策学部は「自分で考え、チャレンジする過程」を学んだ場所
大西さんにとって、総合政策学部の学びは活きていますか?
大西さん
本当に活きているなと思います。
特に三田キャンパス自体に”何もない”というのが大きかったです。今でこそ理工学部も来て、キャンパスが広がっていますが、当時は総合政策学部だけ、それも私たちで二期生の新設学部だったので、自分たちで新たな学部を作っていくというワクワク感がありました。
学生数が少なかったので、二期生みんなが村みたいな雰囲気で、私以外の学生にも色々なことにチャレンジしていくという空気感があった。
私は中学高校も関学だったので、ずっと上ケ原で過ごしていて、環境を変えたいなと思ったときに三田に移れたのがすごくありがたかったです。


周囲の人々がすごく大きかったんですね。
大西さん
そうですね。そこで知り合った友人たちが色々なチャレンジをしている人が多くて、友人の紹介や、自分から働きかける中で世界が広がっていきました。
大学の先生方にも色々助けていただきましたね。ハワイのNGOを紹介していただいたのも先生方でしたし、総合政策学部の先生方は距離がすごく近くて、直接指導をしていただいたおかげで、自分の理解もすごく進みました。
学術はもちろん、様々な学びが出来る点も総合政策学部はすごく良かったですし、友人や先生方との出会いも、自分にとっての大きな財産になっています。

総合政策学部って色々な分野の知識を持てるのも良いことですけど、それ以上に魅力的な学生さんも多いですよね。僕自身そう感じます。
大西さん
総合政策学部は何でも許される学部で、逆に言うと自分でテーマを見つけて頑張らないと、範囲が広すぎて何もできなくて、何が自分に残ったんだろうと虚無感を感じると思うんです。
自分でテーマを決めてどんどん挑戦していくような学生さんには総合政策学部が向いていますし、実際そのような学生さんが集まっているのかなと思います。

大西さんの、総合政策学部での一番の学びはなんですか?
大西さん
自分たちで考えて、自分たちの考えを述べる力を身につけられたことですね。
総合政策学部は自分たちで勉強したことをプレゼンで発表する実践的な授業が多く、先生から言われたことをただ受け入れるのではなく、チーム内で自分たちで考えて、考えを述べていく、そういった授業が多かったのがすごく自分の力になっていると思います。

確かに、自分の頭で考える機会が高校時代に比べるとすごく多いなと感じます。大西さんはどのような内容を専門にされていたのですか?
大西さん
総合政策学部と言っても、私は社会福祉系の勉強をしていました。
心理学のカウンセリングの授業では、信頼関係を構築して傾聴する、人に考えを押し付けるのではなく、人の考えを聞く技術を学ばせてもらったのは記者の仕事でも活きています。
カウンセリングの基礎として、信頼関係を築いて心を開いてもらうトレーニングをしてもらったのは営業で活きているなと感じます。

社会福祉とカウンセリング !改めて総合政策学部って本当に自由ですね・・・。
大西さん
本当に自由で、やりたいことをやらせてもらえて感謝しています。
後は繰り返しになりますけど、フィリピンのストリートチルドレンの施設に行くようなチャンスをもらえたり、先生の紹介でハワイの研修に行かせてもらったりとか、チャレンジする学生が球を投げたら色々な打ち返し方をしてくれるように、何でもやらせてくれる先生方が多かったので、それが私の学びにつながったように思います。

僕自身聞いていて楽しかったです!最後に今の学生さんに伝えたい内容を教えていただきたいです!
大西さん
とにかく色々なことにチャレンジしてほしいと思っています。
社会に出ると、信用を取り戻すことは難しいですけど、スーパーマリオの無敵状態のように、学生はどんな失敗をしてもまた学生に戻れるんですよね。
自分の力量はどうなのか、自分の好きなものが何なのか知っていることは、社会に出たときに自分の武器になります。目の前にチャンスがあればどんどんチャレンジしてほしいと思います。

素敵なメッセージをありがとうございます!これにてインタビューは終了になります!

関西学院大学総合政策学部の大先輩である、大西亮さん。
今毎日放送でテレビ放送の枠に収まらない様々な挑戦ができるのは、大学生活で様々なことにチャレンジし、自分のやりたいこと、強みを見つけられたから。
高校生のみなさんは、これからはじまる大学生活に期待を膨らませていますか?
それとも「自分には、やりたいことなんてない」とモヤモヤしていますか?
今はまだ、自分が本当にやりたいことが見つからなくても大丈夫。
総合政策学部での人との出会い、様々なチャレンジ、自分を信じて常に前を向いていれば、必ず自分の道を開くことができます。
<取材=諸富稜( 22期生 )>